【解説】2021Q1ロードマップ振り返り

本記事はIOSTの2021Q1(1~3月)のロードマップ達成状況を振り返り確認する記事です。
2021Q2を含めたロードマップの内容を確認したい方はこちらの記事をお読みください。
【週刊IOST】ロードマップ公表&Binanceノード参加!

Q1ロードマップのおさらい

まずはQ1ロードマップをおさらいです。

  1. IOSTメインネットの開発・接続性能を最適化します。Rosetta APIのサポート・より実用的なSDK(ソフトウェア開発キット)のドキュメントを作成します。
  2. ARM64 CPUなど、より基本的なプラットフォームをサポートします。
  3. 内部モジュールをアップグレードし、P2Pネットワークの再接続速度を高速化します。
  4. 様々な(トップ層の)ステーブルコインをサポートします。
  5. ステーブルコインを中心としたDe-Fi関連サービスの模索・実装を行います。
  6. 伝統的な産業におけるNFT連携を推進します。
  7. トップIP(人気の高い)DAppsをリリースします。
  8. パートナーノードエコシステムの仕組みとグローバルレイアウトを強化する。
  9. IOSTコアコミュニティグループを拡大します。

については、何をもって拡大と評価するか難しいため今回評価対象外とします。

Q1ロードマップの達成状況

IOSTメインネットの開発・接続性能を最適化します。Rosetta APIのサポート・より実用的なSDK(ソフトウェア開発キット)のドキュメントを作成します。

IOSTメインネットの直近更新情報はこちらになります。

IOST Mainnet Olympus v3.5.1 Official Roll-out

この記事の中で、v.3.5.0とv3.5.1の更新内容に触れられています。

Changes in Olympus v3.5.0:
IOST Mainnet code now supports Go MOD mode and no longer needs to rely on GOPATH. Now devs can develop in any directory;
IOST Mainnet code supports the latest version of Golang — 1.16;
IOST Mainnet Docker image upgrade to ubuntu18.04;
iWallet now supports both CGO and non-CGO mode for compiling;
Upgraded some libraries to the latest version, such as Protobuf GRPC.

Changes in Olympus v3.5.1:
Fixed an issue: the error message couldn’t display via the RPC GRPC request.

Rosseta APIのサポート、については全く触れられていません。
SDKについても…記載がありません。

ロードマップ未達成です。

ARM64 CPUなど、より基本的なプラットフォームをサポートします。

Golang 1.16のサポート対応により、ARM64 CPUへの対応が完了しています。

参考:Go 1.16 リリースノート 日本語訳

ロードマップ達成です。

内部モジュールをアップグレードし、P2Pネットワークの再接続速度を高速化します。

内部モジュールのアップグレードはv.3.5.0とv3.5.1の更新で行われていると思われます。
(ソースコードをすべて読んでいるわけではないので断定はできないのですが)

ロードマップ達成です。

様々な(トップ層の)ステーブルコインをサポートします。

現時点ではサポートしているのはHUSDのみです。
それ以外のステーブルコインの対応は発表されていません。

ロードマップ未達成です。

ステーブルコインを中心としたDe-Fi関連サービスの模索・実装を行います。

De-Fi関連サービスとしては、Donnie Financeが登場しました。
ステーブルコインが中心、というわけではありませんが(DONはステーブルではない)、マイニングプールはHUSDも対応しているため、ステーブルも関連はしているかと思われます。

ロードマップ達成です。

伝統的な産業におけるNFT連携を推進します。

3月末時点では未達成ではありましたが、4月に入り伝統的産業である「漫画」とNFTの連携する形での発表がありました。

漫画家たまきちひろ先生のNFTデジタルコミックのオークションを開始、二次流通のロイヤリティをスマートコントラクトで実装

(本当はダメですが)一応ロードマップ達成とします。

トップIP(人気の高い)DAppsをリリースします。

現時点でトップIPのDAppsは何もリリースされていません。
(そのようなアナウンスもありません)

ロードマップ未達成です。

パートナーノードエコシステムの仕組みとグローバルレイアウトを強化する。

3月末に貢献報酬の仕組みについて、アップデートのアナウンスがありました。

Q2 2021 Contribution Focus & Rewards

この内容について、簡単に言うと「貢献した、とする基準を明確にした」「技術面の貢献とメディア(広報)面での貢献に分けた」「報酬をUSDTでも受け取れるようにした」ということです。

貢献報酬の基準が今まで割とふわっとしていたので、この施策自体は改善につながると思われます。

ロードマップ達成です。

総括

評価対象8項目について、

達成…5

未達成…3

となります。

未達成の「Rosetta APIサポート/SDKドキュメント作成」「複数のトップ層ステーブルコイン対応」「トップIP DAppのリリース」はどれも重要なポイントかと思います。

これらが未達なのは残念です。Q2での挽回を期待したいところです。

おわりに

今回の評価について、あくまでJIOSTAの見解として出しているものになります。
IOSTについて客観的に評価する指標として、参考情報としていただければ、幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。