パンプキン🎃PPTに関する事実と問題

2020年9月13日(日)にIOST初のDeFi・イールドファーミングと称されたプロジェクト、パンプキンがリリースされました。このパンプキンについて、いくつか事実に基づかない情報が出ていることから、取り急ぎ記事を作成します。
なお、AIYAAとしてはパンプキンについて比較的冷ややかな目線を向けていますが、議論のきっかけにはなったと思っています。
(なお、当記事はわかりやすさを重視し、「皆様から寄せられたいくつかの質問に答えていく風」の形式としました)

供給量が1億ってホント?

あんごう君

パンプキンって、公式では【総供給量:2,927,232 PPT】と書いてるけど、
IOSTメインネットエクスプローラーでPPTを見てみると、1億 PPTなんだけど!
これっておかしいよね!?詐欺じゃないのかよ!!!

AIYAA

1億 PPTというのはtotal_supply_floatの数値です。
今現在の供給量はcurrent_supply_floatの数値、539,411 PPTです。
こちらのリンクからPPTの供給量の状況は確認できますよ。

{"symbol":"ppt","full_name":"pumpKin","issuer":"Contractzz6ihpEjkY1zADZPzwE4eFW6u7Rkr6k2C6e2HRG2TGh","total_supply":"10000000000000000","current_supply":"54037818492000","decimal":8,"can_transfer":true,"only_issuer_can_transfer":false,"total_supply_float":100000000,"current_supply_float":540378.18492}
あんごう君

いやいや、PPTを生成したコントラクトコードを読んでも、current_supplyの記載も無いし、2,927,232って数字も見当たらないんだが?
てか、そもそもなんでTOTAL_SUPPLY1億なんて設定してんの?
やっぱり詐欺じゃねえのかよ!糞🎃

_IOSTInstruction_counter.incr(3);const TOTAL_SUPPLY = 100000000;
AIYAA

まず、TOTAL_SUPPLY大きな数値を設定するのは比較的よくあることです。
IOST自体の供給量の状況を見ても、900億 IOSTと記載されていますが、現在の供給量は22,090,308,973 IOSTです。これはCoinMarketCapの表記とも一致します。

{"symbol":"iost","full_name":"iost","issuer":"issue.iost","total_supply":"9000000000000000000","current_supply":"2209030897326858272","decimal":8,"can_transfer":true,"only_issuer_can_transfer":false,"total_supply_float":90000000000,"current_supply_float":22090308973.26858}
CoinMarketCapのIOSTのページ。
あんごう君

じゃあパンプキンの【総供給量:2,927,232 PPT】
理論的に正しいのか説明してみろよ!!

AIYAA

はい、解説していきます。

パンプキンはアナウンス記事
「 In the first farming week (16:00 on September 13, 2020, to 16:00, September 20, 2020 (GMT+8), users will be able to farm up to 1,463,616PPT」
日本語に訳すと
「最初のファーミングウィーク(2020年9月13日16:00から2020年9月20日16:00(GMT + 8)まで)では、ユーザーは最大1,463,616PPTをファーミングできます。」
と言っています。

これが、1週間ごとに半減していくということは、

1,463,616+1,463,616÷2+1,463,616÷4+1,463,616÷8+1,463,616÷16+1,463,616÷32+1,463,616÷64+1,463,616÷128+1,463,616÷256+1,463,616÷512+1,463,616÷1,024+1,463,616÷2,048…
1,463,616÷2,097,152までで、とりあえず計算してみましょうか。
(ここまでで開始から22週(154日)経過してます)

計算結果は2,927,231 PPTでした。
パンプキンは総供給量:2,927,232 PPTと言っているので、ほぼ一緒といっていいかと思います。

あんごう君

なんだよ、それなら最初からそう説明しろよ!
分かりづらいから、疑っちゃうじゃないか!

AIYAA

分かり辛いという点についてはごもっともだと思います。
次に、そのあたりについてAIYAAが思っていることを書いていきます。

パンプキンに関する疑問

運営の利益と持続性

アルトちゃん

運営(もしくは開発元)はどうやって利益を上げ、このPumpkinの仕組みを維持するつもりなの?
持続性はあるの?

AIYAA

開発チームの利益PPT総供給量の5%、146,361 PPTの売却益になるかと思われます。
仕組みの維持ですが、DAppsはリリースされればそれのみで持続するものなので、そもそも維持コストの概念が無いと思います。
持続性についても、極論を言えば放置でも(IOSTメインネットがある限り)動き続けるのがDAppsなので「ある」というのが答えになると思います。

アルトちゃん

1週間ごとに(IOSTをステークして獲得できるPPTが)半分になるってことだけど、開発側も1週間ごとに獲得できるPPTの量は半減するよね。PPTを獲得できる量も減るし、運営資金がPPTの価格の乱高下に大きく依存・左右された結果、PPTの長期的な下落・暴落によってパンプキンがシャットダウンされて…資金が引き出せなくなる心配ないの?

AIYAA

ファーミングの途中のシャットダウンは無いと思います。
総供給量の全てが配分されたら終了、それだけだと思います。
価格(つまりPPTとIOSTの交換レート)が、どれだけ上がろうが下がろうが関係なく、ただ決められたルールに則ってPPTが配布されるのみです。

そもそもPPTは無から生み出されたものです(別に何も担保にしていないはず)
開発チームにとってはPPTに値段が付いた時点で利益になるはずです。

1300万IOSTのエアドロップ費用が自費でかかっているとしても、 パンプキン開始直後の価格が1 PPT=5000 IOST以上だったので、2600 PPT売れば回収できます。 開発チームの取り分5%は146,361PPTです。今後PPTの価格が下がっていくとしても、最初の1週間に開発チームが売却できる73,180 PPT程度で十分利益は得られるのでは、と思われます。

パンプキンリリース直後にIOSTが大幅に下がったのは、もしかしたら開発チームが売りまくった(PPT→IOST→USDT)のかもしれませんね…

PPT自体の価格と将来性

アルトちゃん

PPTの価格は、主にユーザーによる短期的なPPTの価格上昇への期待によって急騰したように見えるけど、そのあたりはどうなの?
現状のPPTの使用用途としては、ファーミング報酬を獲得した後にIOSTを得るための手段でしかないように思えるんだけど。。。

AIYAA

PPTの価格上昇は、パンプキン開始直後にいち早くプラチナプールに参加するため「2000PPTを求める需要」が急増したのでは、と思います。質問の通り、現状PPTはIOSTを得るためのトークンでしかありません。
(AIYAA個人的な意見としては)将来性や今後の発展を期待しても何も出てこないのでは、と思っています。

今回のキャンペーンでミソなのは「あくまで配っているのはPPTであり、IOSTではないこと」です。 1300万のIOSTエアドロップはありますが、市場流通量から考えれば大した量ではありません(個人でも容易に保有できるレベル)
IOSTメインネット上で発行されたよくわからないトークン「PPT」が価値を持った。
これが大きいと思います(良いか悪いかは別として、面白いことですよね)

すべてはIOSTメインネット上で起きていることであり、IOSTメインネットワークの利用者が(どんな形であれ)増えることは長期的に見ればIOSTの存在価値が増すことに繋がると私は思っています。

今回のパンプキン、宣伝の仕方、サイトの作り、SUSHIというキーワードの利用、全てが荒いと思います。しょうもないと思います。 それでも、(良い意味でも悪い意味でも)これだけの宣伝効果をもたらしたのは大きいと思います。 これ一回きりで終わりではなく、IOSTメインネットの価値を高める施策をもっと財団は支援していくのではないかと、私は見ています。

パンプキンに対する意見の提出

アルトちゃん

でもまぁ、今回のキャンペーンってやっぱりお粗末だよね。

  1. キャンペーン開始2日後に突然ルール変更してるよね。
  2. ルール変更の内容もはっきりと書いてないよね。
    プラチナプールの必要最低量が200万→2000万IOSTに変わるってちゃんとツイートしてよ…
  3. PPTの高騰をパンプキンだけじゃなくIOST財団も煽るってさ…
  4. そもそもこれってDeFiなの?なんか違くない?

他にも色々あるけどさ…私、IOSTに期待してたのにこれじゃ評価ガタ落ちだよ。

あんごう君

IOSTメインネットでリリースされるサービス・DAppsなんだし、IOST財団もちゃんと監督しとけよ!
監督責任!詫びろ!詫びろ!詫びろ!

AIYAA

お二人が仰るっていることはごもっともです。

  1. 今回の件を受けて、IOST財団日本支部の方と協力し、パンプキン・IOST財団しっかりこちらの意見を伝えて、今後の改善を図ってもらいます。
  2. IOSTメインネットでリリースされたサービス・DAppについて、運営・内容・仕組み等からリスクレベルをレーティング(リスク:小・中・大)する仕組みを今後導入する方針です。

最後に

今回の騒動について、2年近くIOSTに関わってきたパートナーノードとして、大変遺憾に思います。

せっかくIOSTが日本に上場し、優れたブロックチェーンプラットフォームとしての能力を知っていただき、生活の中にブロックチェーンが入っていく、世の中がより良くなっていく、そんな展望が見えた矢先の出来事で、「なんてことをしてくれたんだろう」悔しい気持ちでいっぱいです。

そんな中でも、IOSTの中身やこれまでの実績を信じていただき、ホルダーとして、開発者として、ノードとして、関わろうとしてくださる皆様に、本当に感謝しています。

今後、日本のIOSTコミュニティがより安全で活発なものになるよう、JIOSTA(日本IOST協会)はより強力に施策を打ち出し、推し進めていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
また、皆様のご協力・ご意見もお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

大変な長文を、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。